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最後に、アップルは、M社と半ダースのほかの会社が支持するAAFを採用する。
アップルは、M社のテクノロジーのほうが劣っていると思っていたので、自社製品のなかでもっとも人気の高いクイックタイムを捨てるつもりはなかった。
E氏は、プログラムのソースの共有と、ウィンドウズメディアプレイヤーのファイル形式の変更を提案したという。
アップルを急きたてて、M社との共同作業でダイレクトXをもとにしたメディアプレイヤーを開発しようとしたことも認めた。
彼の提案によると、共同開発のウィンドウズメディアプレイヤーでは、なにかビデオファイルが再生されるたびに、クイックタイムのロゴが表示されることになっていた。
E氏はさらに、両社で〈コーデック中央局〉というウェブサイトを立ち上げ、ユーザーが新しいコーデックをどちらの会社からでもダウンロードできるようにしたかった。
だが、アップルはすでにE氏の背中にナイフを突きつけていた。
彼と契約を結ぶことなどあり得なかった。
アップルが深い疑いをいだいている状況では、E氏の任務(アップルにクロームを売ること)はほとんど実現不可能といえた。
1997年の末に、アップルは、新しい超高速のG3プロセッサを発表した。
設計したのはM社とI社。
この第3世代チップ(そこからG3という呼び名になった)は、先代のパワープロセッサの2倍近い性能を発揮した。
G3は出版産業に狙いをつけ、I社の最速チップと互角の勝負をした。
このチップは、アップルの驚くべき逆襲の直接の原因となった。
過去2年間、20億ドル以上の損失を出していた会社が、いまや利益をあげていた。
落胆していたアップルの株主たちは、自分の資産が増えていくのを見守っていた。
ただし、A氏はそのひとりではなかった。
M社を離れてから、彼は、ウォール街の当時は強気だった市場に乗りだした。
午前中は、階下のジムでウェイトリフティングをしながら、CNBCの実況をながめてテクノロジー関連株のデイトレーディングに精をだしていた。
自称アップルの専門家で、投資戦略のひとつ、アップル株を「空売り」することだった。
つまり、アップルの株価が下落することに賭けたわけだ。
アップルの惨惜たる現状や後退したシェアを考えると、それはまともな作戦といえた、G3が登場するまでは。
アップルが1997年第44半期に驚くべき業績をあげたとき、J氏は数万ドルを失った。
その後も、アップル株の下落を狙い続けて損を増やした。
A氏は、G3チップの市場における潜在能力を過小評価していたのだ。
E氏は同じミスをしたくなかった。
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